【手打刃物】
小山本手打刃物


やま
あき
ひろ

 

宇土市

小山昭博 氏インタビュー記事(2010年頃)

500年あまりの歴史がある川尻手打刃物。その伝統技法を学んだ小山すえさんが創業した「小山本手打刃物」は、息子の博行さん・昭博さん・春喜さんの3兄弟が受け継いでいます。料理用の包丁をはじめ、竹割り包丁や鎌、鍬などの農具から園芸用ハサミ、海の貝を掘る道具など、近隣の住人たちの要望を聞きながら、暮らしに根付いた道具を多数制作しています。
手打ち刃物の製造方法は、強固なハガネを鉄の塊に割込んで入れる昔ながらの割込鍛造が基本。文化包丁や菜切り包丁は、素材をまっすぐ切るために両面が刃になっています。両刃割付鍛造の場合、石炭や木炭を使った火床で原料となる鉄の棒(極軟鋼)を熱してハンマーで叩いて鍛錬。中央に切り込みを入れて芯にタガネを挟んだら金づちで叩き伸ばしながら密着させます。形が出来るまで約1時間はかかるそうです。これを再び均一の温度に熱して、18℃程度の水で急冷、その後きれいに研ぎ上げて完成です。