坊田透 氏インタビュー記事(2010年頃)
坊田さんが象がんを始めたのは18歳のとき。当時は就職難の時代でした。手に技を身につける職業がいいと探していたところ知人の紹介で京都の川人芳男氏に師事することとなります。象がんというものがあることも知らなかったとのこと。「修行が始まったころは、反抗したこともありましたが、実際に自分の力だけでは作れないと思い知らされ、それからは毎朝の掃除に始まり、職人の世界で社会人として鍛えられました」お使い先でお客様が師匠の作品を見て腕がいいと話しているのを聞くうちに、憧れの存在に変わっていったといいます。その頃身に付いた“上手な物を見てその人より上手なものが作れるように努力する精神”は今でも変わらない坊田さんの信念です。「昭和35年ごろ、熊本で