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荒尾市
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末安英介 氏インタビュー記事(2010年頃)
小代山の麓で陶芸活動に取り組んできた末安窯の末安英介さん・洋介さん親子、英介さんの父が重い病気を患い、30歳で後を継ぐことになりました。「思えば、それが運命だったのでしょう、父の仕事を手伝ったことはあったものの、ロクロ一つ回したことがなくて、それからは父の元にいた職人の技を見よう見まねで覚えていきました」展示場には、英介さんの作った大きな壺と父の壺が並んで鎮座します。「僕は父の作品が大好きでね。ときどき自分の作品と見比べるんだけど、どうしてもあの雰囲気が出せない。後継ぎになると、先代の作品が常に立ちはだかるんです。しかし父とは時代背景も生き方も違うのだから、自分なりの生き方を個性として作品に出していければいいと思うようになりました」国内外の神社仏閣を観て歩き、屋根の稜線の美しさに触れてカタチの美しさを重んじるようになっていきました。
後継者の洋介さんは小学生のころから早朝4時に起きて、火入れなどの手伝いをしてきました。有田窯業大学で学んだ後、そのまま父に師事。「自分らしさを意識して作ってはいません。個性は自然に生まれるものだと思うから」小学生のころは天文学者に憧れていた洋介さん。将来は星座や宇宙を器の上で緻密に表現するのが夢だそうです。
「技術は身に付きましたが、それは自分が不調なときに補うものにすぎない。カタチにとらわれず、年齢を重ねただけの“枯れた美しさ”を表現していきたいですね。」と英介さん。あくまでも“商売人”ではなく“作り手”。おだやかな言葉の中に、表現者としてのプライドが込められています。
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