【おばけのきんた/rt>
あつにんぎょうてん

あつ

しん
はち
ろう

 

熊本市

1943年
熊本市に生誕。
1963年
父、新氏のもとに人形師となる。
1978年
熊本県ふるさと顕彰受賞
1979年
熊本県伝統的工芸品指定
1999年-2009年
熊本工芸産業振興協会理事
2002年-2007年
熊本県伝統工芸協会理事
2010年
一般社団法人くまもと工芸会館理事
伝統的工芸品産業功労者褒賞受賞

 

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厚賀新八郎 氏インタビュー記事(2010年頃)

熊本を代表する郷土玩具「おばけの金太」。加藤清正に仕えた足軽がモデルといわれており、真っ赤な顔に黒い烏帽子姿、紐を引くと竹バネのからくりで舌を出し、目がひっくりかえっておどけた表情を見せます。子供たちにも今なお大人気の郷土玩具です。
現在、このおばけの金太を唯一制作しているのが、人形師の厚賀新八郎さんです。厚賀さんは、京都から熊本に移り住んだ西陣屋新左衛門以来、250年続く人形師の10代目です。「おばけの金太」は5代目の彦七が発案し、その技が現代に続いています。
どうしておばけの金太の顔は赤いのか?熊本城築城の際に、足軽の金太がお酒を飲んで酔っ払い赤ら顔でみんなを笑わせていたという説が一般的ですが、厚賀さんは研究熱心。
「節句旗などには、金太郎なんかの絵が良く描かれている。その金太郎の体と顔を見てごらん、真っ赤だろう」。
金太郎が描かれた節句旗には、男子の健康な成長が願われ描かれています。当時は天然痘などの病よけや魔よけの意味で真っ赤に色づけされたのでしょう。
「酒呑童子や天狗の話なんかも興味深いんだよ。これも関係があるかもしれない。それから、チベットでは建物の門に朱を塗り、病除けにしたものが、日本の神社などの柱を朱く塗るルーツとなっている。チベットでは、挨拶すると舌を出す文化もある。何か金太と関係あるかもしれないね」と、厚賀さんのお話はとても興味深いです。